守る行為の譜面:命の揺らぎを記録する
中島飛行機時代から続く「乗員の命を守る」という航空機設計の思想は、現代のSUBARUにおける安全思想の原点である。本プロジェクトは、先進安全技術「アイサイト」が担う「警告」という役割を、身体的な「守る」という行為へと翻訳する試みである。
本作はスバルデザインラボを起点とし、史跡金山城跡ガイダンス施設、太田市美術館・図書館へと巡回する過程で、土地の歴史や空間の記憶を吸収しながらバージョンアップを重ねていった。会場に描かれた群馬県の輪郭の上を、参加者は生卵を運びながら歩く。その不安定な歩行の記録は、12インチの白いレコード盤へと刻まれ、5名の参加者による旋律へと昇華される。
この巡回を経て、最終的に「中之条ビエンナーレ」へと結実した一連の流れは、単なる展示の移動ではない。それは、企業理念と地域文化、そして個人の身体性が交錯し、時代を越えて継承される「守るべきもの」の在処を問い直す、壮大な実験の軌跡である。

ミクストメディア
2200×1820×1820mm
2025年


